たくさんの気持ち
きっと今まで出逢ったたくさんの気持ちの事、大半は忘れてしまっただろう。
そして、これから先に出逢うであろうたくさんの気持ちに関しても、同様の事が言えるだろう。
忘れたくない事や忘れないと思っている記憶でさえも、日々を積み重ねていく中で、少しずつ少しずつ遠くなって、記憶の海に埋もれていってしまう。
もちろんそれが、必ずしも悪い事だとは思っていない。
だって、あの時、ああいう事があってと、一字一句覚えているようであれば、きっと記憶回路には膨大な量の情報が詰め込まれて、それこそパンク寸前だろう。
きっと人間の脳はその業に耐えられない。
だから、私たちは全てではなく大切な記憶を留めている。
過ぎていった時間に想いを馳せられるように。
そして、同時に私たちは忘れるという能力を手に入れた。
記憶に縛られ過ぎないように。
たまには望んでいないのに忘れてしまう事もあるだろうけれど。きっとそれは人間が完璧じゃないから。
そして、日々過ぎていく時間の中では、今のあなたが一番若い。
だから、怖がらなくていいのだよ。